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MBA研究計画書 合格者例

 
 
  書き出す前に確認しておきたい5項目
 
 ① 職務を通じて持った問題意識
 
 ② 研究に対する動機
 
 ③ 具体的に関心を持っている研究テーマ
 
 ④ ③を研究・学習するための手順
 
 ⑤ 期待される成果、終了後の抱負
 
本研究科を志望した動機、研究計画について書きなさい。(1200字)
 
☆タイトル
「クロスメディアマーケティングによる価値創造」
 
※ タイトルは短く、シンプルであることが望ましい。
 
☆志望理由
私は広告会社の代表としてクライアント企業に対しての企画提案を行い、広告物を製作することを主業務としている。そのため広告現場で活用できる論理的なマーケティング戦略について研究を行いたいと考えている。
 この分野は現在の業務に直結し、自身のビジネスを更に向上させるものであり、更なる知識習得は今後の広告業務を継続する上で欠かせない。広告媒体の特性が多様化する現在において、複数のメディアを効率よく活用するクロスメディアの手法が主流となりつつある。そのなかでも特にオンラインを含むクロスメディアの広告戦略と、ブランド構築についての研究を深めたい。具体的には、企業が新しいブランドを開発し、市場に投入する、または外国企業が日本に進出する際に、広告を通じてどのように顧客にブランドを認知させ、ブランド価値向上を図るべきかを分析する予定である。
 
※自身の社会経験を端的にまとめ、何の研究を中心に行いたいのかを明確に書くこと  
 
☆学習したい内容
分析ではブランド・レゾナンスー顧客が当該ブランドに同調し、心理的に強い絆を有している状態(恩蔵2007 )ーについて注目したい。強い絆を有した顧客は無給販売員となり、その周囲に口コミで商品情報を拡げ評価を高めていくのである。(kotler,2003。このように顧客の関与の度合いを高めることで、ブランドを浸透させ、購買意思決定に繋げることが可能となるのである。具体的な分析方法は以下のように行なう。新しい製品やサービスが市場に投入された際の、広告プロモーション、顧客のブランドへの同調までのプロセスのケーススタディを行う。具体的には。ITがハブメディアとしての中心的な役割を持つ、いくつかの媒体を運動させたクロスメディアの事例を取り上げたい。これらの分析をもとに、企業のプロモーションの意図を解析し、製品・サービスとの親和性を明らかにする。また、プロモーションの結果、消費者に対しどのような印象を与え、ブランドの認知に寄与したのかを計量的にも明らかにする予定である。上記の手法を通して、クロスメディアを通した購買意思決定における広告のブランディングについて研究を行う。
 
※研究をどのような手順で行うのかについては具体的に説明しよう
 
☆卒業後のキャリアプラン
 貴研究科で自身の研究テーマを深め終了した後、研究成果を実務で生かし自社のさらなる発展へと繋げたい。提供する広告媒体を拡充し、クロスメディア戦略の企画提案などの業務の拡大を行なう。また、自社サービスのグローバル展開や、外資系企業を含む広告のクライアントの更なる拡張を念頭に、売り上げの拡大を目標としたい。その目標の実現のため、マーケティング戦略の立案において競争優位性を高め、組織の代表としてのリーダーシップを発揮したい。貴研究科で得られた知見は、社内のスタッフにも還元し、自社の活性化に繋げていくつもりである。
 
※何のための研究なのかを、志望理由との整合性を意識しながら明記しよう。現時点でのアイデアで構わない
 
☆参考文献
恩蔵直人著(2007)『コモディティ化市場のマーケティング論理』
フィリップ・コトラー著(2003)『Marketing insights from A to Z:80 Concepts Every Manager Needs to know』
フィリップ・コトラー著・恩蔵直人監訳/大川修二(2003)
『コトラーのマーケティング・コンセプト』
※参考にした資料や文献は出来る限り明記するとよい
 
 
 
 
 
 
 
 
★研究計画書作成のポイント
 
○ ファイナンス、アカウンティングに限らず、昨今、実証的な研究が求められている。
○ 先行研究には、一般的なビシネス書の類はなるべく避けたほうがよい。
○ 問題意識が定まって実際に作成する時に、もっとも重要になるのが論理的一貫性。
単に、文章だけの一貫性という意味ではなく、作者自身や仕事の興味の範囲に沿ったものでなくてはならない。研究計画書だけが良くても面接の質疑応答で詰まってしまう。
○ 実例では、目的が必ずしも明確ではなく、方法も複数にわたるが、一般には1つか2つくらいが好ましい。
 
 
 
 
☆タイトル:IPO(新規株式公開)におけるプライシングと利益調整
 
背景
 新興市場の発展に伴って、様々な問題が生じてきた。証券会社・発行企業体。投資家の間で起こる利益相反や、IPO数の増加に伴うコーポレートガバナンスの未成熟な企業の上場などである。粉飾決算で上場廃止となったアソシエントテクノロジー、不動産免許問題発覚のアルデプロなど不祥事が続いた。さらに業績に関しても、上場後、下方修正する企業が多い。
※冒頭で問題を明確にする。
※実例を挙げて問題を裏付ける。
 
 その原因には、証券会社の問題として二つ考えられる。一つ目は、大手証券会社と中小証券会社のメリットとデメリットの問題である。大手証券会社のメリットである処理能力・アフターフォロー・信頼度・販売力などに対し、中小証券会社ではスピード・コスト・一体感である。早ければ半年、通常1年足らずで上場させる。このスピードのために、中小証券会社では審査が甘くなると言わざるを得ない。二つ目は、証券会社の上場企業の問題、つまり証券会社・発行体と投資家との利益相反である。
※後半との関連付けをもっと確実に
 一日でも早く上場したい発行体の意向と、その上場による手数料収入(引き受け手数料7%前後+販売手数料)及び直接投資(投資事業組合・ストックオプション)などによるキャピタルゲインの獲得を狙う証券会社の関係から、発行体の実力・予実管理などの審査に不透明部分が現れ、上場後の決算・コンプライアンス・株価にネガティブな影響を及ぼした。
 
☆目的
 このような背景の中、わが国の新興市場を健全かつ安定的な投資対象となるよう各ステークホルダーが適切に対処することが必要とされる。そのためにも、発行体であるIPO企業の利益操作や証券会社のプライシングを起因とする利益相反や情報の非対称性の現状を明らかにする必要がある。また、これによりIPO市場における不平等なメカニズムを是正する一助となると考える。そこで、本研究では、以上の問題意識を踏まえ、IPO時の利益相反や引受証券会社の役割に焦点を当てて財務データを用いた実証分析を行うことを目的とする。
 
☆先行研究 
 本研究における先行研究には以下のものがあげられる。わが国におけるIPO企業の利益相反に関連する研究について永田・蜂谷[2004]がある。永田・蜂谷は、公開前の3期間について成長性を演出する為の利益調整が行なわれており、公開価格が決定される公開直前には、平均的なIPO企業と遜色ない利益水準の達成の存在が確認されている。またアンダープライシングについて、比佐・比佐[2008]は、IPO企業と投資家との非対称性が存在するためアンダー/オーバープライシング(株価の過少/過大評価)が起こるが非対称性解消の役割を担うはずのベンチャーキャピタルが機能していない点を指摘する。 
※引用の形式は論文形式で
 
 あるいは、引受証券会社とIPO企業との関連について辰巳[2006]は、高い審査能力を持つ主幹事証券会社は、アンダープライシングが低く(初値と引受価格との乖離が低い)、審査能力によって影響を受けるが、統一的な研究結果は報告されていないという。
 
☆研究計画と方法
以上を踏まえ、本研究では以下の方法を想定している。
①米国やわが国におけるIPO関係の先行研究のサーベイ
②利益操作:わが国のIPO企業を対象に上場前後の財務パーフォマンスを前後3期間の長期で測定し、どの程度の利益操作が行なわれているかを分析する。
※計画であっても具体的な内容を
③証券会社の影響:主幹事証券会社の規模や、IPO引受実績とアンダープライシングの乖離率との関連性を分析する。 
<参考文献> 
辰巳憲一(2006)「IPOにおける引受証券会社と発行企業の行動:米国の研究の展望」学習院大学経済論集第43号
永田京子、蜂谷豊彦(2004)「新規株式公開企業の利益調整行動」会計プログレス第5号
比佐優子、比佐章一(2008)「IPOのWaveと株価形成」
http//www.iset.osaka-u.ac.jp/abet/event/20081221/yokouhpup/no15hisayokou.pdf
 
 
5つの項目をチェックしよう
①職務を通して感じた問題意識
 現職:メーカー M&A担当部門で、事業部門や子会社の売買を行なう。
 問題点:自社の案件で買収会社の賃金体系の見直しを行なったところ、従業員のモチベーションが低下、オペレーション不全を生み業績悪化に陥った。日本では容易に人事や給与体系を動かすことはできず、M&Aによるシナジー効果を失う可能性がある。
 
②研究に対する動機
現在進行中の案件において大学院で考察したモデルの利用可能性を検討し、自社の案件へ還元したい。そのために、我が国固有の問題を踏まえ、大学院において有効なM&Aの構築について分析・検証を行う。
 
③具体的に関心を持ている研究テーマ
M&Aにおける従業員の処遇
日本のM&Aでは対等の精神、コンセンサスが強調され、人・組織の融合に様々な調整作業が発生する。それにより生じる統合の遅延で、シナジー効果の現れに時間がかかる、もしくは享受できないという問題がある。調整作業の際、特に問題となるのは「暗黙の契約」の存在。日本固有の長期雇用・年功賃金など、経営者と労働者の暗黙の契約。M&Aによりこの契約が破壊された場合、企業内での協調的な行動・集団としての人的資本の蓄積といった内部労働市場のメリットが生かされなくなる。
 
⑤期待される成果、修了後の抱負
大学院修了後は、在学中に作成したモデルを現職に生かして、問題の解決と自社の成長を目標とする。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
★本研究科を志望した動機、研究計画卒業後のキャリアゴールについて書きなさい。 (1200字程度)
 
1、研究テーマ
M&Aにおける従業員の処遇について 
 
テーマは簡潔に、長くなった場合にはサブタイトルとして説明しましょう。タイトルは重要な部分ですので、初めに考えるのではなく全体が出来上がってから考えましょう。
 
 
2、背景
わが国の90年代以降の生産性の低迷の一因として淘汰されるべき生産性の低い産業が淘汰されず、適切な資源配分がなされていないことが指摘されてきた。そのような生産性の低さから脱却する為の一つの方策として、M&Aは迅速な事業展開や再編、シナジー効果の実現など重要な役割を果たすとされている。つまり、シナジー効果や企業再編を通じ、企業の生産性向上と収益率を上昇させると考えられるのである。したがって、M&Aには、日本経済が以上のような長期的な生産性の低迷と低成長から脱却するための鍵としての役割が期待できる。(落合・深尾、2006)
 
※背景はその名の通り研究の背後にある状況説明部分です。背景でなく目的(何のために、どうしてこの研究をするのか?)を書いてもよいのですが、少なくとも自分の研究したい内容の周辺状況を説明する必要があります・
 
3,研究内容
 本研究計画では、自身の経験を踏まえて我が国におけるM&Aについて焦点を当てていく。我が国におけるM&Aは件数が増加したものの未だ欧米に遅れをとっている。M&Aの有効性が認識されているにもかかわらず、M&A市場の未熟さや、企業を売買するというM&Aそのものに対する拒否感などから、積極的なM&Aをためらう経営者が多い。
 我が国のM&Aでは対等の精神、コンセンサスが強調され、人・組織の融合に様々な調整作業が発生し、統合スピードが遅れることによりシナジー効果が現れるのに時間がかかる、もしくは享受できないという問題がある。
※MBA系の研究計画書は自身のキャリアとの関連で研究することが必要です。
 
私の所属するメーカーにおいて、M&Aを担当する部門の一員として事業部門や子会社の売買にかかわってきた。その中でも特に問題となるのが暗黙の契約の存在である。我が国固有の長期雇用・年功賃金といった経営者と労働者の暗黙の契約である。M&Aによりこの契約が破棄された場合、企業内での協調的な行動・集団としての人的資本の蓄積といった内部労働市場のメリットが生かされなくなる。事実、自社の案件で買収会社の賃金体系の見直しを行なったところ、従業員のモチベーションを低下させ、オペレーション不全を生み業績悪化に繋がり大きな問題となった。このように米国とは異なり我が国では、容易に人事や給与体系を動かすことができず、シナジー効果を失ってしまう可能性がある。
 そこで本研究では、我が国固有の問題を踏まえ、有効なM&Aの構築について分析・検証を行うことを目的とする。 
 
4、研究方法
以上を踏まえ、本研究では以下のような手順で研究をすすめていく。
①先行研究の調査を通して、米国におけるM&Aの理論のまとめと、問題点について探る。
②我が国におけるM&Aのケース・スタディを過去に関わった案件を基にして行なう。
③ケーススタディから得られた知見を基に、買収側と被買収側の双方においての従業員に対する処遇について最適なモデルを考察する。
④現在進行中の案件においてモデルの利用可能性を検討し、案件へ利用する。
※研究方法はあくまでも現時点でのアイデアでかまいません。しかし、具体的な手順はしっかりと考えておくべきです。
参考文献
落合誠一編著(2006)『我が国M&Aの課題と展望』商事法務
宮島英昭編著(2007) 『日本のM&A』東洋経済新報社
 
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