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よく出る心理学問題

 
心理学問題(1)
 
 ① 心理テストの妥当性について述べなさい。
 
 
 ② パーソナリティ障害を分類しそれぞれの特徴を述べなさい。
 
 
 ③ 次の用語を説明しなさい。
  (1) スリーパー効果
 
  (2) 認知不協和理論
 
  (3) 自律訓練法
 
  (4) 主題統覚検査
 
  (5) 遊戯療法
 
  (6) ピグマリオン効果
 
  (7) 明順応と暗順応
 
  (8) 欲求段階説
 
  
  ④ 帰属理論について述べなさい。
 
 
 
 
 
 
1,心理テストの妥当性について述べなさい。
 
 
 心理テストの妥当性とは、テスト得点の質を評価する重要な基準であるが、1950年代を境に概念的に大きな変化があった。以前はテストが測定を目指したものを実際に測定している程度を示すものとして定義されていた。具体的にはテストが測定しようとしているものが測られていることを意味する。しかし現在では、テストの得点の解釈とそれに基づく推論の正当性の程度と定義されるようになった。その構成要素としては、主に基準関連妥当性、内容的妥当性、構成概念妥当性である。
   最初の基準関連妥当性とは、テストの得点およびそのテストが測定しようとしている特性を、テストよりもより忠実に反映していると考えられる尺度、すなわち外的基準との相関によって評価されたテストの妥当性のことである。しかし、外的基準がなるべく行動レベルで定義された尺度である必要があること、実際には多くの外的基準自体の妥当性に疑問があること、などの理由からこの方法だけで妥当性が確認できる場合はほどんどない。
 二つ目の内容的妥当性とは、テストの妥当性を、データによってではなく、テスト項目も内容を専門家の目で判断することによって確認しようとする考え方のことである。また、それによって評価された妥当性の程度のことも示す。ルーロンによって提案されたもので、到達度テストの内容が教育課程を逸脱せず、偏りのないものかどうかを判断する方法である。学力検査のために用いられる場合に限定され、一般的にテストの妥当性を判断する方法としては不十分である。
 三つ目の構成概念妥当性とは、テストが測定を目指す概念に関する理論的予測が、実際のデータによって実証されるかどうかで、テストの妥当性を評価しようとする考え方のことである。すなわち、テストで測定が目指される、例えば「不安傾向」「言語能力」といった特性は理論を構成する概念である。意味のある測定を可能にするためには、そうした特性について、たの特性との関連や、異なる属性を持つ被験者間の得点の差異等に関する結果を予測できるような理論が存在する必要がある。テスト結果がその予測と矛盾しなければ、テスト得点の解釈は一応維持される。結果が予測と反するなら、測定の妥当性に疑いが生じるが、場合によっては、特性に関する理論の方を修正することもありえる。これが構成概念妥当性の考え方であり、今日ではこの概念が他の妥当性概念をすべてカバーするものと考えられている。
2 パーソナリティ障害を分類しそれぞれの特徴を述べなさい。
 
パーソナリティ障害とは、精神内界に生じる感情や衝動を行動によって表出し、その病的行動を繰り返してしまうという、一貫した行動傾向として現れる精神障害である。その個人によって思考・判断・行動は特徴的であるが、社会的に期待されているものより著しく偏った柔軟性に欠けるという点では一致している。その行動傾向
によって、本人や周りが悩み、実際上の苦痛や障害を引き起こしている場合に診断されるが、疾病にはあてはまらない状態を指す。
 今日広く使用されているアメリカ精神医学会の診断基準では、パーソナリティ障害は各特徴によりA群、B群C群の3種類に大別される。各種類のもとに合計10のパーソナリティ障害が認めあっれ、診断基準を満たさず特定不能のパーソナリティ障害とされる1種類を含めて、11種類のカテゴリーが存在する。それぞれの特徴については以下のとおりである。
最初のA群パーソナリティ障害の特徴としては、対人関係からの引きこもりと奇妙で風変わりな言動が挙げられ、統合失調症と親和性が高いとされている。このA群には、妄想性パーソナリティ障害、分裂病質パーソナリティ障害、分裂病型パーソナリティ障害の3種類が分類される。妄想性パーソナリティ障害は十分な根拠もないまま。他人の動機を悪意あるものと解釈し、他人が自分に危害を加えるといった疑いや不信感を示すものである。分裂病質パーソナリティ障害は、他者に無関心で極端な内向性を示し、社会的関係からの遊離や対人関係状況での感情表現の範囲の限定がある。分裂病型パーソナリティ障害は他者との密接な関係を形成する能力が足りない、親密な関係では気楽にいられない、行動の奇妙さが目立つ、など認知的知覚的歪曲・関係念慮がみられる。社会的及び対人関係的欠陥が特徴である。
 第二のB群パーソナリティ障害は、境界例概念と親和性が高く、劇的、情動的・奔放な行動や態度がみられ、その行動と情動の揺れが大きいことが特徴である。ここには、反社会性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害の4種類が分類される。反社会性パーソナリティ障害は、共感性の欠如と他人の気持ちや欲求を認めない、他人の権利を無視し侵害することを特徴とする。境界性パーソナリティ障害は従来、境界例と呼ばれていた病理である。対人関係や自己像、感情の不安定さが顕著であり、感情の衝動的な表出が著しいことが特徴である。特に自己破壊的衝動として、自傷行為の頻発、性的行為や購買行動などへの依存的傾向が強く見られる。演技性パーソナリティ障害は、対人関係を実際以上に親密なものとみなし、過度な情緒性と演技反応により、自分への関心を引こうとする特徴がある。自己愛性パーソナリティ障害は。限りない成功の空想や自分が稀な能力を持っていて他者から称賛されるべきであるという自己への誇大感があることが特徴である。そのため、尊大で放漫な態度や行動をとり、他者に賞賛され欲求が強い傾向がある。
 最後のC群パーソナリティ障害は、回避性パーソナリティ障害、依存性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害の3種類である。神経症概念と親和性があり、不安に関連した行動、感情、思考の偏りを特徴とする。回避性パーソナリティ障害は否定的評価を回避するものである。依存性パーソナリティ障害は面倒を見てもらいたいという過剰な愛着依存欲求があり、分離に対する不安から他者に従属的にしがみつく行動をとるものである。強迫性パーソナリティ障害は、精神および対人関係の統一性にとらわれ、その完全主義から柔軟性、開放性、効率性が犠牲にされているものである。
 
③ 次の用語を説明しなさい。
(1) スリーパー効果
  スリーパー効果とは、説得の効果に関する現象である。説得とは、主に言語的手段によって、他者の態度や行動をある特定の方向へ変化させようとすることである。説得の効果は、メッセージの内容だけでなく、送り手の信憑性や説得の媒体、受けての被説得性などの様々な要因によって影響を受ける。信憑性の低い送り手による説得は、その直後にはあまり効果が無く、一定時間経過後のほうが効果的な場合がある。これは時間の経過によって、送り手についての記憶がまず急速に薄れ、そのためにメッセージ内容そのものの持つ効果が強くなるからである。この現象をスリーパー効果と呼ぶ。
 
(2) 認知不協和理論
  認知不協和理論とは、フェスティンガーによって提唱された、認知斉合性理論のひとつである。認知とは、自己や自己をとりまく環境に関する意見、信念、行動などをさすが、人の認知はできるだけ矛盾がなく調和のとれた関係を保とうとする傾向がある。そうした一貫性を維持しようとする態度や態度変容に関する理論を総称して認知的斉合性理論という。また、認知や態度の間に矛盾がなく秩序がある状態を認知的斉合性という。フェスティンガーは、自己を含む環境の認知要素間の関係が不協和の状態にあるとき、人は不協和から生じる不快を低減したり回避したりするように動機付けられると考えた。また彼は、不協和の大きさは①不協和の認知数の和の、協和な認知の数に対する比率で表される。②ふたつの認知間の不協和の大きさは、二つの認知の重要性とともに増大する.③認知の重複が大きいほど、不協和の大きさは小さくなるとした。
 
(3) 自律訓練法
 自律訓練法とは、シュルツによって開発された心身調整法であり、心身症に多く適用される。具体的には、自己催眠を用いた心身のリラックス訓練法とイメージ療法を組み合わせたものである。標準訓練と上級訓練に大別されるが、自律訓練法の基本となるものは標準訓練である。実際には、言語公式とよばれる自己催眠の為の言葉が示されており、クライエントはその言語公式を唱えながら、公式が示す心身の状態を作り出すよう自己誘導していく。①背景公式=安静練習②第一公式=四肢重感練習③第二公式=四肢温感練習④第三公式=心臓調整練習⑤第四公式=呼吸調整練習⑥第五公式=腹部温感練習⑦第六公式=額部涼感練習の順である。ただし、心臓に病気のある人は第三公式はさけるなどの注意が必要である。
 
(4) 主題統覚検査
  主題統覚検査とは、マレーとモーガンによって考案された15歳以上を対象とした投影法検査である。TATあるいは絵画統覚検査ともよばれる。具体的には、被験者に対して、人物が描かれた曖昧な状況の絵を1枚ずつ合計10枚程度見せ、それについて過去・現在・未来にわたる自由な空想上の物語を作らせるものである。検査者はその内容について、マレーによる欲求圧力理論を基盤にし、内的欲求と環境から圧力との葛藤状況をどのように認識し、対処行動をどのように行なっているか、などの性格傾向や行動傾向を明らかにしていく。この検査は特に、幅広い領域で様々な人間関係での欲求と圧力、内的な感情状態をダイナミックに捉えることに適している。
 
(5) 遊戯療法
   遊戯療法とは、子供に対する遊びを媒体とした心理療法の総称のことである。Aフロイトやクラインによって創始された。その理由として、子供は言語能力が未発達なために、大人に行なわれる言語表現を中心とした心理療法の適応が難しいことが挙げられる。具体的には、玩具や遊具を備えたプレイルームとよばれる、自由で保護された空間の中で子供と治療者が自由に遊ぶ。遊びを通して子供が自己を思う存分表現することができ、カタルシス効果が得られるとされる。遊戯療法の基本原理として、アクスラインによって提唱された「8つの原理」がある。それらは、①ラポールの確立、②受容的関係の構築、③自由な表現空間の構築、④適切な共感的伝達、⑤子どもの成長力と責任への信頼、⑥子どもの自主性の尊重、⑦子どものペースに合わせて治療を急がない、⑧現実との適切な関係に基づく制限の設定、以上の原理から成り立っている。遊戯療法には、Aフロイトによる、子どもの自我の発達を母親も関わりながらプレイを通して教育的・促進的に援助すべきという立場と、クラインによる、乳幼児期のファンタジーにおける心的対象関係を純粋に解釈すべきという立場など、さまざまな考え方があるが、このアクスラインの8原則が、理論的立場を超えて遊戯療法の原則を示しているといえる。
   
(6) ピグマリオン効果
 ピグマリオン効果とは、教師が学習者にやいして持つ期待や予期が、学習者の成績を左右することをいう。ローゼンタール・Rにより提唱され、教師期待効果とも呼ばれる。具体的には、教師が事前に学習者についての何らかの情報を持つことで、仮説としての学習効果に対する期待や予期を作り出す。それによって教師は、その仮説である期待や予期が実現するように意図的・無意図的に学習者に働きかけるようになる。その働きかけが学習者に意図的・無意図的に影響を与える。学習者がそれに対して肯定的・積極的に反応するようになり、最終的に教師が考えていた仮説が伝達されることになる。
 
(7) 明順応と暗順応
 順応とは、持続的な刺激の提示によって、徐々にその刺激の効力が弱まり、感覚の強度が薄れていくことを言う。暗い場所から明るい場所へ移動すると、最初はまぶしくて何も見えないが、しばらくすると周りが見えるようになることを明順応という。逆に、明るい場所から暗い場所に移動すると、最初はまわりが見えなくても、時間の経過と共に見えるようになることを暗順応という。このような反応が見られる理由は、視覚系の受容器には網膜上の視細胞の錐体とかん体の2種類があり、明るい場所では錐体が主に機能し、暗い場所では主にかん体が機能するという分業が行われているからである。暗順応は完全に成立するのに30分から40分かかる。一方、明順応は40秒から1分で成立する。
 
(8) 欲求段階説
 欲求段階説とは、人間の欲求は5つの階層的な順序をなしていると考えたマズローによって提唱された。その理論では、下位の階層にある欲求が充足されて初めて、次の段階の欲求充足へと向かうことができるとされた。5つの階層のうち、最下位の階層には、生命の維持に関わる生理的欲求が位置づけられている。そのうえの第二層には、生命の安全や安心を得て、苦痛や不安、恐怖を避けて安定した状態を保とうとする安全欲求が位置づけられる。次の第三層は社会的動物として、仲間を得て親密な関係性を構築し、社会的位置を確保しようとする所有と愛情の欲求である。第四層は、自分にふさわしい役割を行使し、他者から肯定的な評価や承認を得ようとする承認と自尊の欲求である。ここまでの第一層から第四層は欠乏欲求とされ、それが全て満たされて初めて、最高層の自己実現欲求が生じる。この欲求は、自分の潜在的な可能性を最大限発揮したいというものであり、人間が人間らしくあるために必要なものである。
 
 
4  帰属理論
 帰属理論とは、ある結果の原因をどこに結びつけるかという、原因を推論する過程についての諸理論のことをいう。社会的認知研究のハイダーによって提唱された。ハイダーは、この帰属の過程を、その対象者の内的過程(能力・努力)に帰属させる内的帰属と、その対象の外部にある力(環境の圧力・運など)に帰属させる外的帰属に分類した。その他の主要な理論を以下に述べる。
 ケリーは、ある結果が生じたときに存在していた要因で、その結果が生じなかったときには存在しなかったものを、その原因とみなす傾向があるという共変理論を提唱した。また、帰属過程において、認知者は①合意性、②一貫性、③弁別性という3つの情報を組み合わせることで、他者の行動の原因を推測している。このケリー理論は、統計の分散分析の枠組みを用いることから分散分析モデルともよばれている。
 ジョーンズとデービスは対応推論理論を提唱した。この理論は、認知者が、行為者の行為からその意図や性格、態度などの内的特性をどのように推論するかという行為者の内的帰属に関するものである。ワイナーは、行動の成功と失敗に関する原因帰属に関して理論化している。彼は、その原因を行為者の内的要因と外的要因という両極に基づく統制の軸の位置および、その原因が常に起こりえるもの(安定)あk変動しやすい
ものか(不安定)という両極に基づく安定性の軸という・二つの次元に基づいて原因帰属のありかたを分類している。近年は、この弐次元に加えて、統制可能性の軸を加えた3次元から原因を分析することも試みられている。特にワイナーのこの理論は、帰属の結果として生じる感情や動機付け、行動に及ぼす影響を範囲に含めた考察を行なっているのが特徴的である。
また、観察された行為の原因は、行為者の内的傾向に帰属される傾向があるといわれている。これをロスは、根本的な帰属の誤りと呼んだ。帰属の方向性についても、観察者と行為者の間でズレが生じることも知られている。観察者は、結果の原因を行為者の内的傾向に帰属させやすい傾向ガある。反対に、行為者は、結果の原因を外的要因に帰属させすい。
 
 
心理学問題(2)
 
①類型論と特性論について述べなさい。
 
 
②奥行き知覚を生起させる生理的要因を4つ取り上げなさい。
 
 
③次の用語を説明しなさい。
 
(あ) 累積記録
 
(い) 味覚嫌悪
 
(う) 般化勾配
 
(え) 帰無仮説
 
(お) 幼児性健忘
 
(か) 体性感覚
 
(き) 消去と般化
 
(く) 順応と適応
 
 
③ 葛藤状態における私たちの処理の仕方について述べなさい。
 
① 類型論と特性論について述べなさい。
 
人の性格や特徴を端的に説明するために、パーソナリティという概念が用いられる。それは。広い意味での行動に時間的・空間的一貫性を与えるものと定義される。パーソナリティを記述する際の理論として大きく類型論と特性論に二分される。
類型論とは、一定の原理に基づき、そのタイプの典型的な性格を設定し、それによって人々の性格を分類し、性格の理解を容易にしようとする立場のことである。その類型の基礎を体質的なものつまり、生物学的なものに求めたのが主としてクレッチマー、シェルドンなどである。また、心理学的特徴を基礎としたのは、ユングやシュプランガーである。クレッチマーは、体格によって細長型・肥満型・闘志型に分類し、体格に相当するものとして気質によって、循環気質・てんかん気質・分裂気質に分類した。シェルドンはその気質論をもとに、体格を内胚葉型(太めの体格)・中胚葉型(筋肉質)・外胚葉型(細め)に分類し、それぞれ内臓緊張・身体緊張・頭脳緊張の気質と対応があるとした。ユングは心的エネルギーの向かう方向の観点から外向性・内向性という類型を考え、4つの精神機能(思考・感情・感覚・直感)を掛け合わせた8タイプを考案した。類型論の長所としては、典型例が明示され直感的・全体的に把握し易いことである。反面、短所としては、固定化して扱われ易いこと、中間型や移行型が無視されやすいことがあげられる。特性論とは、社交性や神経質なお、ある行動傾向のまとまりを特性とし、その特性の組み合わせによってパーソナリティを記述する立場のことをいう。パーソナリティの共通特性を仮定したオルポートにばじまり、キャッテルが特性を表す形容詞群から因子分析によって複数の特性を抽出したことにより研究が進展した。さらにアイゼンクはパーソナリティを外向性・内向性・神経症傾向といった因子で説明可能であるとして、類型論と特性論の統合を試みた。様々な特性論が展開されたが、その後の研究から現在では、ビッグファイヴと呼ばれる5つの主要なパーソナリティ特性を認める立場に集約されつつある。それは、外向性・調和性・誠実性・神経症傾向・開放性の5因子である。また、特性論をもとに、特性がパーソナリティ構成の単位として考えられるため、心理検査の多くの尺度として用いられるようになった。特性論の長所としては、量的に把握できるため個人間の比較がしやすく統計処理に向き、類型に当てはまらないパーソナリティを記述するのにすぐれている。反面、一人の個人として創造しづらく直感的な把握がむずかしい。類型論・特性論それぞれ長所・短所はある。現在の心理療法やカウンセリングなどの現場では、類型論的な評価方法が中心である。また、特性論に基づく各種の心理検査」は臨床現場で欠かせないものとなっている。類形論・特性論の両理論が人の人格の理解に大きく役立つといえる。
 
 
② 奥行き知覚を生起させる生理的要因を4つ書きなさい。
 
行き知覚とは、知空間において事物が三次元に定位することである。人間では視覚、聴覚、触覚にこの能力が備わっているが、視覚が最も安定的である。視覚の場合、刺激は網膜において二次元的に受容されるが、奥行きの知覚を導く役割をする刺激があり、知覚的世界は奥行き方向に広がっている。古典的な手がかりの理論では、眼とその周辺の感覚器に手がかりとして与えられる二次元的刺激から三次元的世界が構成されると考える。人には人体の構造上、左右の両網膜像上には必ず差異が生まれる。これが視差である。そこから様々な手がかりが生まれ、それが奥行きの知覚に用いら
れる。その主なものとして、調節、両眼視差、運動視差、輻輳がある。二つ目の両眼視差により水平視差が発生しこれが奥行き知覚を生起させる原因となる。次の運動視差の場合は、静止環境内を移動しながら対象を見る場合、近くの静止対象は遠くの対象より、網膜上では速く移動し遠くなるほどゆっくり動いて見える。こうした速度差が奥行き知覚を生起させる。最後に輻輳がある。これは注視している対象物が遠くから近くへ移動した際に生じる眼球運動である。通常、両眼は同時に同一方向へ運動するが、この場合は両眼同時に内側へ水平運動をする。これにより奥行き知覚が生まれる。以上、奥行き知覚を生起させる生理的要因を述べた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
③ 次の用語を説明しなさい。
 
 (あ) 累積記録
  反応累積記録器より作りだされる曲線記録のこと。反応累積記録には一定速度で回転するドラムによって排出される記録紙上に、反応があるごとに排出方向に対して垂直に記録ペンが一定量移動する仕組みがある。実験者は、曲線の勾配の変化により、実時間での反応率の変化やパターンを見ることができる。典型的な記録器では、弁別刺激や強化子の提示も記録上に記載される。
 
 (い) 味覚嫌悪
  味覚嫌悪とは、ある食べ物を初めて食べたあとで体の調子が悪くなれば、その食べ物の味を長く記憶にとどめ、二度と同じものを口にしないという学習効果である。ガルシア効果ともよばれる。このメカニズムは、未経験の味と体調不良の結びつきを学習し、次にその味の食べ物を与えても、その味をてがかりとして摂取を拒否する。この学習は古典的な条件づけ学習と同じものである。
 
 (う) 般化勾配 
  般化勾配とは、ある刺激に条件付けられた反応が他の刺激に対しても生じることをいう。般化の程度は、その刺激の物理的次元上の類似度関数として決まる。すなわち、条件づけられた刺激に似ているほど反応は起こり易くなる。般化勾配とは、横軸に刺激の物理的類似度、縦軸に反応数をとって、刺激の物理的類似度の関数として反応数の変化を示したもののことである。それは、ある刺激のもとで反応を強化し、次に、この刺激と物理的類似度のことなる複数の刺激を消去手続きのもとで提示するという方法で得られる。
 
 (え) 帰無仮説 
  ある命題の真偽を検証するために統計的に表現された仮説のことを検定仮説という。これには研究者が当初から否定したい仮説が割り当てられることが多い。例えば、新しい教育方法の効果の有無を検証する場合、帰無仮説は「新旧の教育方法の効果には違いはない」と設定し、対立仮説は研究者の期待している「新しい教育方法のほうが効果的である。」とするなどである。このため、検定の結果、有意差があれば帰無仮説は捨てられる。 
 
 (お) 幼児性健忘
  幼い頃の経験を想起できないことをいう。一般に4歳ごろ以前の出来事の想起は減少することが知られている。このような現象が生じる理由として①幼児期の経験の抑圧によるとする精神分析的な考え方、②幼児期には言語能力が未発達なために適切な符号化が出来ず、体制化するためのスキーマもできていないことによるとする考え方、③幼児期の符号化は大人とは異なるのえ、符号化過程と検索過程が一致しないために思い出せないとする考え方による。
 
 (か) 体性感覚 
 体性感覚とは、皮膚感覚と運動感覚との総称である。皮膚感覚とは、五感の一つである触覚を意味する。皮膚には温・冷・触・痛の受容器があることから、そのように呼ばれている。各感覚の質は皮膚の特定の受容器の興奮からの信号に基づく。運動感覚とは、身体の各部分の位置や動きを知る働きのことであり、筋・腱・関節などには受容器があるため、身体内部組織からおこる位置感や運動感などのことを感覚という。
 
 (き) 消去と般化 
消去とは、条件付けにより形成された反応がもはや強化されないことにより、その遂行が衰退していく過程のことをいう。般化とはある刺激に条件付けられた反応が他の刺激に対しても生じることをいう。
 
 (く) 順応と適応
 順応とは、一般的に生活体の内的状態、機能、構造を与えられた環境条件に適合させ、バランスを保つ過程を意味する。大まかに感覚的順応と社会的順応とが区別される。適応とは、生物が環境に合うように自らの身体や行動を変容させること、またはその状態をさす。その調整をもたらすしくみは様々であり、大まかには系統発生的なもの、個体発生的なものとに分けられる。
 
   
 
 
 
④ 葛藤状態における私たちの処理の仕方について述べなさい。
 
 葛藤状態とは、相互排他の他の要素が同じ強度をもって同時に存在し、どの要求に応じた行動をとるのか選択できずにいる状態のことである。レヴィンの分類によると、同時に望ましい対象が存在している場合は、接近・接近の葛藤と呼ばれる。逆に、避けたい対象が同時に存在している場合は、回避・回避の葛藤と呼ばれる。また、一つの対象に対して接近したい欲求と回避したい欲求とが並存している時には、接近・回避の葛藤と呼ばれる。この葛藤状態は欲求不満の源泉となる。このような葛藤状態に対して、通常、私たちは葛藤を与える場から逃避したり、対象に対する認知の仕方を変えることにより、この事態を処理している。
社会学の具体例
志望理由所の書き方と留意点
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